★遙ED

15年前、唯一クリアしたエンディング
(つまらなくて投げたわけではなく、
当時はエロゲ全般に対するモチベがそこまで無かった)。
私は圧倒的に遙派なので、今回も最初にプレイ。
「君が望む永遠」のタイトル回収がされる唯一のルートで、
何より仲良し4人組(孝之・慎二・遙・水月)が
一番良好な関係で終われるので
個人的には、これが正史だという感覚
(ラストには、10年後くらいに4人がまた再会できた、
と解釈できる描写もある。これがまた泣ける)。
最終盤の、遙の処女喪失は
Hシーンとは到底思えないほどに美しく、感動的。
普段Hシーンに入った途端、クリック連打を始める私さえも
じっくり熟読させる程の名シーンだった。
3年前と全く変わらずイチャイチャしまくる孝之・遙の姿も
見ていて非常にニヤニヤできるw
このラブイチャバカップルめ!永遠に幸せでいてね!w
★水月ED

遙ルートの水月もそうだが、
君望は負けヒロインの方が存在感があると言っても良い。
遙ルートでは見られない遙の一面が多く表れ、
何より本作は「
遙・水月両ルートをやってこそ完結」
とまで言えると思っているので、
遙好きでも、必ずプレイしておくべきシナリオ。
・水月の本心
・茜ちゃんの本心
・「マヤウルのおくりもの」の詳細
・「ほんとうのたからもの」の存在
など、遙EDでは出てこない真実や設定が多く、
物語全体を理解する上でも、水月ルートの存在は重要。
一方「慎二の本心」「ゲームのタイトルの意味」
が知れるのは、遙ルート側だけ。
また水月ED後、4人組は永遠に再会できないと思われるので
(おそらく涼宮家の人間と孝之・水月は二度と会えない。
だからこそ「ほんとうのたからもの」が映えるのだが)
やはり君望のヒロインは、2つで1つ。
互いが互いのルートを、補完し合う関係になっている。
余談だが、アニメ版でageスタッフが
「水月EDにしてくれ」と要望したのは、
上記の明かされる設定が多いことによる
「正規ルートっぽさ」に加え、
「遙EDより展開が派手」という理由もあると思う。
遙のリハビリ・遙と水月の大喧嘩など、
あの辺はまさに、アニメでこそ映えるシーンだからね。
★水月バッドED(妊娠/奴隷/犬)
孝之、バッドエンドに入ると
人格変わりすぎ。豹変のきっかけは描写されてるし、
そうなる心情もわかるにはわかるんだけど
あまりにもトゥルーエンド系の
「口調はキツいが、人の気持ちを第一に考える好青年」
である孝之との落差が激しすぎるわw
特に、水月犬EDでの
「
水月に目隠しをさせ、見知らぬ第三者のフリをして
水月レイプごっこをする」という行動はマジキチwww
…いや、あんなことしたら水月がどうなるかなんて
考えるまでもなくわかるでしょ。
そりゃ完全に精神崩壊するよ。路上で電柱に小便もするよ。
この3種EDでの孝之の敗因は
「水月の本心を知れなかったこと」に尽きる。
遙ルートでは、茜ちゃんがブチ切れに来たことで
「『遙の次でいい』『都合のいい女でいい』というのは
水月の心からの言葉ではない」ということを知れた。
だがバッドEDでは、その機会が無いことで
水月の言葉を信じてしまい、破滅に繋がった。
妊娠EDでの「
やっと…遙に勝てた」というラスト台詞は
「2号さんに甘んじるのはやっぱり嫌」という、
水月の本心を端的に表している。
おそらく、あの台詞を言った後の水月は
もう孝之の言いなりにはならず、中絶も了承しないだろう
(この最後の台詞は「遙と水月の敵対」も表しており、
最後は涙を流して抱き合った遙EDとの対比で
非常に悲しいセリフ)。
…正直、この3ルート(&マナマナ)だけは
鬱耐性が高めじゃないとキツい部分があると思うw
しかし、キャラの掘り下げには間違いなく貢献しているので
出来れば頑張ってプレイして欲しいシナリオ。
★茜妊娠ED
とんでもないタイトル詐欺ED。「茜ちゃんが妊娠すんの!?」と思わせといて、
まさかあの展開になるのは予想外だったw
・遙はおそらく、もう二度と目覚めない (ED時点で1度目の昏睡以上、5年は眠り続けていそう)
・茜ちゃんはおそらく水泳をやめてる
(育児との両立は困難だろう)
・息子が、自分の本当の母親を知った時の心境
(最後まで隠し通せるのか?)
・遙の両親の心境
・水月とはもう二度と会えない
などなど、暗い要素や不安要素も多いが
バッドEDとしては、かなり救いのあるストーリー。
「息子がいる」というだけで、
「折れるわけにはいかない」と孝之・茜に思わせるし、
息子の存在が、遙との繋がりを孝之・茜・涼宮夫妻に感じさせ
心の支えになっていくだろう。まさに子はかすがい。
茜トゥルーエンドは少々展開がグダグダすぎる為、
個人的に、茜ちゃん系列では一番好きなシナリオ。
「遙の代わりをずっとやり続ける」という、
茜ちゃんの心情も理解しやすい
(孝之の中にはそれ以外の感情≒茜ちゃん自身への愛も
しっかりあるだろうと想像させる構成も上手い)。
不満点としては、孝之と茜ちゃんを結ばせるために
水月を意図的に悪役にし過ぎな点と
(「遙は死んでしまえば良かった」は
流石に言わないのでは?)
孝之が真実を涼宮夫妻に告げるシーンが無い点。
ただそこまで描いてしまうと、鬱展開が過ぎるかw
…ところで香月先生は
「昏睡状態でも出産はできる」と言っていたが、
きばることが出来ないので
帝王切開でしか産めないと思うんだよね。
しかし植物状態の遙に、切開手術に耐えられるだけの体力は
残ってないと思うんだが。その辺どうなんだろ。
まあ流石にそこは「ゲームだから」でいい気もするがw
★天川蛍ED
ラストの衝撃的な展開は予め知っていたが、
それでもボロボロに号泣できた。
蛍の「自分の生まれた意味を探したい」
「長く生きられないからこそ精一杯生きたい」という姿勢は
非常に共感できる。常に自殺を考えているロマンサーさんにも
「もうちょっと生きてみようかな」という勇気を与えてくれた。
「
遙と別れた後も、仲の良い友人であり続ける」
という、非常にレアな結末になる点でも重要なシナリオ。
遙に「恋人じゃなくてもいいから、ずっと仲良くして欲しい」
と並んで歩きながら言われる場面や
遙と一緒に白陵大に通っている場面は、隠れた名シーン。
他のルートをやってから見ると滅茶苦茶感慨深い。

「
それが恋じゃなくても、遙を守ることは出来る」
という孝之の発言を裏付ける信頼関係が出来あがっており、
正直あの距離感は、2人にとって理想と言えるかもしれない
(その分、水月が貧乏くじ引き過ぎなシナリオだが)。
孝之が具体的な将来の夢を見つける、
唯一のストーリーであることも大きなポイント。
★マナマナED
★マナマナ純愛ED
手錠つけて監禁・人間関係全破壊・勝手にアパート解約などの
非道行為から「緑の悪魔」呼ばわりされているが、
私は敢えて愛美を擁護したい。そもそも愛美は、最初からそういう子だったわけではない。
献身的に孝之に尽くし、「見返りは求めない」と断言してたのに
その状態に孝之が勝手に危機感を覚え、
勝手に終わらせた気になり、勝手にけじめつけた気になったから
愛美は狂ってしまったのだ。
しかも愛美は「両親に捨てられた」
「家族も友達もいなくて孤独に生きてきた」という背景があり
同情の余地がかなりある(献身的な姿勢も、
初めて他人から必要とされた喜びから来るもの)。
純愛EDは、DVD版から追加された新規シナリオだが
これは愛美がキチガイ扱いされ過ぎてるのを見たスタッフが
愛美の本質を知って貰う為、入れたシナリオだと思っている。
実際、純愛EDでは「献身的」「包容力」といった、
愛美の長所ばかりが浮き彫りにされ、
ヤンデレのヤの字も出てこない。
ヤンデレ化したのは「孝之のまずいムーブ」
「愛美の悲惨な過去」「また捨てられるというトラウマ」
が悪い方に噛み合った結果。
いい方に噛み合えば、純愛EDのような
幸せな結末も迎えられるポテンシャルのあるキャラ。
監禁ルート・純愛ルートの内一方だけを見て
愛美というキャラを語るのは、正直物語への理解が浅い。
また君望は、嫉妬・束縛・届かぬ想いといった、
「恋愛のブラックな側面」が一つのテーマ。
その側面をとことんまで掘り下げたのが監禁ルートであり、
作品全体を見ても、充分な意味合いを持ったシナリオ。
「マナマナルートは黒歴史」と切り捨ててる奴は
本作を100%理解しているとは言えない。純愛EDは「人生を一からやり直したい」という
孝之の共感できる心情を描きながらも
遙も水月もないがしろにせず、
最後は遙・水月・愛美全員への感謝で終わっているので
締め方が美しく、何気にかなり好きなシナリオ。
ラストの、遙にあてた孝之の手紙とかホント泣けるしな…
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